007_TECTONICS OF MINKA
EXHIBITION, 2021
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民家のテクトニクス展
展示
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Team_
Shogo Sakaguchi, Yuki Takada, Tsubasa Nakano, Ami Higa, Fang Zhou, Kiwami Hoshiya
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民家を1/1スケールで捉える。 図面のアーカイブ作成、民家の実空間体験を経て、私たちは、民家を”寄って見る”ことに興味を持った。それは近視でディテールを見るという物理的な意味もあれば、目に見えない時間や化学反応レベルで捉えるという意味でもある。造形や構築のシステムこそ人工的であるが、そこにまとわりついている要素は植物をはじめとする有機的な素材である。そして、人が踏み締めて固まっていく床のように、経年変化や目に見えない化学反応などが加わることで、民家というものが語られるのではないだろうか。ここでは、屋根、礎石と柱、外壁、開口の4つの建築エレメントを取り上げる。決してリアルに再現するということではなく、現代の材料を用い、モノとモノの取り合いはもちろん、束ねる、削る、結ぶ、切り欠くといった、そこで起きている動作にまで高解像度でフォーカスすることで、民家を構成しているテクネー(technē)の理解を目指す。technē:ギリシア語で技術知を意味する。
テクトニクスとは、地殻変動など広義の変動を研究する学問である。一般的に、プレートテクトニクスなどの言葉が浸透しているが、もし、ひとことで言い表すとすれば、モノとモノが手作業を介して取り合っているということではないだろうか。大陸のプレート同士が取り合い、常に動いている地球が変化し続けているように、民家も、異素材の部材が取り合い、人の手が入ることで変化し続けている。そこで、民家を構成しているあらゆる要素について、その成り立ちやモノの取り合い、関係性などに着目する。手入れやモノの循環、物質同士の反応や時間の蓄積によって表れる表情など、民家を民家たらしめている要素を、1/1のディテール模型として制作した。本展覧会では現代の収まりと並置させるように展示し、対比を体験する場を提案する。
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